導入事例14
医療法人
しんくら歯科医院様
Dental eNote座談会
「カスタマイズ性の高さ」
こそが
最大のメリット
しんくら歯科医院のDXに挑んだ
若きリーダー達

- 医院名
- 医療法人しんくら歯科医院
- 総務
- ブランディングマネージャー細小路 理加 氏
- ドクター
- 浅野 圭二 氏
(現・かしわじま歯科 小児歯科 院長)
- ドクター
- 松田 尚大 氏
(現・まった歯科 院長)
BACKGROUND背景
しんくら歯科医院(岡山県倉敷市)は、治療チェア10台・メンテナンスチェア10台の合計20台のチェア、4部屋のカウンセリングルーム、6名のドクターを含め45名のスタッフを有する大規模総合歯科医院です。地域の信頼も厚く、多くの「卒業生」を輩出しており「しんくらからの開業なら」と、高い評価を受けています。しんくら歯科医院のDXへの取り組みについて、同院ブランディングマネージャー(広報)の細小路 理加 氏と、現在はしんくら歯科医院から独立開業している、かしわじま歯科 院長 浅野 圭二氏、まった歯科 院長 松田 尚大氏のお三方にお話をお伺いします。


- 初めての「座談会」形式になりました

しんくら歯科医院への取材のオファーをいただいた際に、当時の状況をよく知っている人がいいだろうということで、しんくら歯科医院のDX化に、中心になって取り組んだ浅野先生はマストだと考えました。浅野先生自身が開業する医院での採用を前提に、ドクターとして診療業務にあたりつつ、しんくら歯科医院のDXに取り組んでくださいました。そして昨年独立開業された松田先生も、新院でDental eNoteを使っているのですが、スタッフの立場から導入時の状況を聞けると思います。
お二人ともお忙しくご活躍されていますが、しんくらの卒業生は仲がよく、今でも行き来があるんですよ。
discussion座談会
カルテ3大問題:出し入れが大変・なくなる・場所をとる
- 当時どんなお困りごとがあって、デジタル化(DX)に取り組まれたのでしょう

まずは、カルテ出しとカルテ戻しですね。1日 130〜150人の患者さんが来られるのですが、紙ベースのカルテをずっと使っていました。院も広いので、どの先生がどのカルテを持っているか、走り回っているような状況でした。カルテの出し入れは受付の仕事ですが、かなり時間を使う作業だったので、忙しければ役割を超えてヘルプすることもありました。カルテを探し回る時間はイコール患者様をお待たせする時間なので、カルテ庫に持ち出し表を貼ったりもしましたが、ルールは浸透しにくいし、返却ミスも多くて。番号を間違えて片付けてしまうと、もうおしまい。人も時間も無駄が多かったですね。

急患で来られた時とか、本当にカルテが見つからなくて、「誰が持ってるか分からん!どこだどこだ?!」って。
先生や衛生士さんが持って行っちゃうんだよね。「一瞬だからいいか」というのが、どうしてもある。

カルテの出し入れ問題、そしてカルテなくなる問題。
毎日140人のカルテを出し入れしていると、担当のスタッフは死んだ目で、生産性のない仕事をしている。
これはなんとかしないと、ですよね。

スペース問題もありました。長年来てると、クリアファイルが破れるくらいの患者さんもいて、置き場所がない。
年に数回は、来てない人リストとして他の場所に移動する作業も手間だった。別の場所に保管したつもりでも、どこに保管しているか分からなくなり、すぐカルテを見つけることができなくて時間がかかってしまう。

保管義務もあるので、今来ていない患者さんのカルテも保管しておく必要があるからね。
でもクラウドなら、それを超えても置いておくことができるというメリットもあるよね。
-それをデジタルで解決するために、白羽の矢が立ったのが、浅野先生なんですね

そうですね。私はデジタルが好きで、中でもWindowsが好きなんですが、Dental eNoteはiPadでもWindowsでも使えるのがいいですね。最終的な目的は自分の院で何を採用するか、以前から調べていて。MetaMoJiを知った当時は、Dental eNoteはGEMBA Note(*)でしたね。本当にいろんなアプリを比較検討しました。価格が安いけど、シンプル過ぎて当院には合わないなとか、書き心地とか。(チェア数が)多いので、複数のデバイスでひとつのカルテを開いて動作が安定するか、といったことも確認しました。
*GEMBA Noteは、MetaMoJi製デジタルノートアプリ。GEMBA Noteをサブカルテシステムとして利用する歯科医院も多く存在した。それを受け、歯科医院用にメニューやテンプレートを構成したものがDental eNoteだ。

機械に強い浅野先生を中心に「電子化係」を立ち上げました。機械に弱い人も逆に入れました。院内にはそういうスタッフも多いので、スムーズに使えるように。取引のある業者さんからも情報を集めたり。「書き心地はDental eNoteですよ」と聞いていました。
決め手は、予約システムとの連携と、リアルタイム共有
-Dental eNoteを選んだ決め手は何だったのでしょう

予約ソフトとの連携ですね。予約(の電話)がかかった時に、予約一覧からクリックでそこに飛べるのはかなりありがたい。
パッとその場で、次の予約は何かとか、今何の治療をしているか、がすぐに把握できる。これは紙と全く違う連携スピードが
出ます。

リアルタイムで、すぐに書いている内容がわかること。初診カウンセリング時に、カウンセラーが書いた後に、担当する衛生士やドクターがそれを見るんですが、紙だと書き上げるまで待つしかありませんでした。

TCが記入中の問診票に「もう少しここ詳しく聞いて」「どこの歯医者さんにかかってたの?」など、リアルタイムにやり取りできるしね。

新しい院では、受付ともリアルタイム共有しているので、次の予約のニュアンスが伝わらないな、と思った時なんかにも使ってますね。開いておいたら共有できるメモのように使えるところが大きいかな。インカムを使う必要がない。
-大きな歯科医院ですが、導入は大変でしたか

意外にスムーズだったかなと思います。
結構感覚的に使えたかなと。

スマホが使えたら、多分使える。そこまで困っていた様子はなかったですね。
これ印刷どうするの、みたいなのがあった程度かな。
圧倒され戸惑った「カスタマイズ性の高さ」がもたらしたメリット
-話を少し戻します。最初に体験版をお使いになった時には、導入を保留されましたね

カスタマイズ性が高過ぎて、こんなこともできるのか!そんなこともできるのか!と、お腹いっぱいになって、うちでは使えないかもしれないなぁと最初思ってしまった。
でもいろんな院に話を聞かせてもらって、「実際にカスタマイズしてこんなふうに使ってるよ」と聞くうちに、ああこんなふうに使えるのか、うちもできるじゃん、と感じました。しかし当時はスタッフの「紙の方がやっぱり書きやすいでしょう」という障壁が強く一度保留しました。

水面下で検討して、この人は紙を作らずに電子化してみましょうとかやってたよね。
でもやるなら一気にしないと意味がない。保留して、温めて、もう一回考えてみようとか。
わたしもちょうど育休から復帰した頃で、他の予約システムの話も挟んだり。

自分自身の開業の時期も決まっていたので、絶対にしんくらを電子化してから開業しなくては!という焦りもありました。でもこれだけ大型の医院で大ゴケすると大変なので、院長がこれでいける!と言ってくれるようなテンプレートにしようと、練りに練りました。
Dental eNoteに入っているテンプレートには、リストとか、簡単に入力できるものが組み込まれているので、それをしんくらのテンプレートにコピペして、作りました。

気がついたら名簿がリストになってたり、チェックリストとか、選ぶだけで良くなっていたり、「作りましたので、これで書きませんか」っていう段階になってたよね。

やっぱり、スタッフにとっても、紙からデジタルにして、どこかしら楽にならないと、メリットがない。そうすると受け入れられない。
それから、ただ、紙から電子化しました、読み込めますよ、なら、どのソフトでも変わらない。しんくら歯科医院は、マウスピース矯正をたくさんやっているんですが、何枚目のアライナーを使っているか、この患者さんはどの段階からどの強さを使い始める、といったマニュアルがあって、その通りにチェックしながらシールを貼っていけばいいんです。元々はアナログなシールなんですが、それをDental eNoteのテンプレートに落とし込みました。そうすると、チェック項目がすべて並ぶので漏れがない。同じチェックリストなので、誰がやっても同じクオリティで治療を提供できるようになります。
-Dental eNoteの高度なカスタマイズ性が、スタッフも納得するメリットにつながりましたね
新院でもDental eNoteを採用
-浅野先生はDental eNoteの導入はノンストレスでしたか?

そうですね。カルテの作り方をはじめ、しんくら時代にMetaMoJiにたっぷり聞きましたし。
-松田先生は、開業時の導入は苦労されましたか?

実は、最初は、サブカルテは紙で行こうと思っていました。初期費用がかかりませんし。
でも設計時に、(紙のカルテがなければ)無駄なスペースをなくして受付広くできるなとか、夏休みに有志を募ってカルテをスキャンしたり、電子化の大変さをしんくらで見ていたので、やるなら最初からの方がメリットが大きいかなと、方針を変更しました。用紙テンプレートは、浅野先生からごっそりもらいました!

うんうん、あれは本当に大変だった!

テンプレートをまとめて全部送れるのがいいよね。
でも、もっと聞かれるのかと思って覚悟してたんだけど

しんくらにいた当時は、用意されたものを使っていただけだったので、自院への導入サポート(*)はしっかりお願いしました。全く使ったことがないスタッフに向けて、基本的な使い方や動作を教えてもらうのが大切かなと思って。
テンプレートは変えようと思ったときに自分で好きなように変えられるから、初診セットを自分が使いやすいように変えられるし、いろんな医院さんからきたスタッフがいるので、それいいな、と思ったことを採用しやすいですね。
*Dental eNote導入サポートは、体験版のご利用期間中に効率よく実際の業務での運用に移行できるよう、導入・操作から、テンプレート類の作成、実際の診療業務に合わせたカスタマイズなどをサポートする無料コンサルティングサービス。

変更といえば、コミュニケーションシート(サブカルテ)には、いろんな種類の紙があり、日々更新されていくものもあります。ここにこの問診を追加しよう、記載を追加しようというときに、紙だと、刷ってあるものが使えなくなって、発注や印刷の手間も時間もかかりますし、複数の場所においてあったりするのをすべて入れ替える手間もかかって大変でした。

たとえば、肝炎とか、インプラントしてる人とか、滅菌や、来院前のチェアの準備が大切なので、パッと見て「この人は注意しないといけない」とわかるようにするんです。しんくらでは用紙自体を紫にしてあります。

先日も「往診用のコミュニケーションシートを作って欲しい」とリクエストがあったんですが、往診用にピンクの用紙を買ってこなくても、パソコンで背景をピンクにするだけだし、「ここに歯式を追加してください」とか「うがいができる・できない、会話ができる・できない、椅子に座れる・ベッドに寝たまま」などのチェックリストの追加も、キャッチボールしながらその場で作れるし、実際に現場で使ってみて、帰ってからの手直しもすぐにできます。院内のテンプレートのメンテや作成は、浅野先生が作って行ってくれたテンプレートをカスタマイズして使っています。浅野先生が開業していなくなってしばらくは、「先生のあのメモ見せて!」とかよく聞いてたんですけど、今はだいぶ慣れてきました!
「カスタマイズ性の高さ」こそが、必要だった
-振り返って、しんくら歯科医院のDXは、Dental eNote以外では実現しなかったと思いますか?

そうですね、カスタマイズ性が高いが故に、使いこなせないかも、と一度は諦めかけたけど、今となっては、カスタマイズ性が高いからこそ選んだと思います。

カスタマイズ性が高くないと、ここの院では使えなかったよね。

比較検討したアプリは、シンプル過ぎて逆に使いにくかったりした。Dental eNoteは、音声を貼れたり、ペンの種類が変えられたり、見やすいし、使いやすい。そして群を抜いて書き心地がいい!キーボード入力は苦手だけど、キレイに記録を残したいという人は、手書きの変換もできますし。院内には達筆な人が多いので(笑)コミュニケーションシートは以前より読みやすく変わったと思います。

わたしもかなり達筆なので、急いで書くと後で読めない文字になって困っていました。
キーボード入力ができるので助かってます!

本当に急いでる時には、最悪音声入力もできるしね。

音声と言えば、トラブル対策で、音声を録るようになりました。言った言わないの問題になりそうなケースで、チェアに入った時から音声の録音を始めて、コミュニケーションシート(サブカルテ)の中に貼り付けています。
-「電子化係」がたどり着いたゴール、院長先生の反応はいかがでしたか?

「はーい。ありがとう」って感じだったかな。
もうすでにやってる医院もある中で、この規模で(デジタル化)していないのも、という状況でしたし、メーカー選びから試用版の導入、決定まで、現場の私たちを信じて任せてくれたんだなと感じましたね。
-ありがとうございました。しんくら歯科医院のDXを、その場にいたように見届けたような気分です。先生方の、決して無理強いはしないが、水面下で周到に進めていく作戦には手に汗を握りました。そしてその変化を起こす仕掛けとして、MetaMoJi Dental eNoteを選んでいただけたことを嬉しく感じました。
next後編は
収録は日曜日。子育てにもお忙しい先生方の時間をいただき恐縮していましたが、座談会に引き続き個別インタビューも受けてくださいました。そして、「かしわじま歯科は車で10分ほどです。いらっしゃいませんか?」と浅井先生が声をかけてくださいました。とにかく機械に強い浅野先生の医院、行かない理由が見つかりません!
..to be continued!