導入事例08
スマイルデザイン
吉田歯科様
働き方改革で日本一のスマートクリニックへ
受付スタッフの
在宅ワークが可能に
- 医院名
- スマイルデザイン吉田歯科
- 院長
- 吉田 信介氏
PROBLEM課題
01
高いスキルを要求される受付スタッフの離職率の高さ。せっかく続いても出産や子育てなどのタイミングで離職するケースが多かった
02
予約システムと診療ノートは別々に機能しており、検索の際に治療の手を止める小さなストレスになっていた
RESULTS導入結果
01
物理的にカルテを出す作業がなくなったことで受付の在宅ワークが可能になり、出産後も仕事が続けやすくなり、高いスキルを長く活かすことができるようになった
02
予約システム(DentNet)上のボタンをタップするだけで診療ノート(Dental eNote)が呼び出せるようになり、番号や名前で検索する必要がなくなった。その時間を患者との会話に充てたり、治療前に内容を確認して指示を書き込むなど、生産性が劇的に向上した
BACKGROUND導入背景
日本一のスマート
クリニックを目指して
おもてなしのスタートは受付です。受付業務には、裏方を含めはるかに様々な仕事があり、イメージとのギャップが大きく、そもそも受付スタッフは離職率が高い傾向にあります。また「予約ひとつとっても、医院独自のルールや習慣、ドクターそれぞれの考えなども考慮する必要がある。患者個別の細やかな対応も必要で、高いスキルが要求される仕事であるにも関わらず、せっかく経験を積んでも結婚・出産を機に離職するケースが多かったのは非常に残念だった」(矢野氏)と言います。
この状況に対して、院長はなんと「受付の無人化」を目標に掲げました。問い合わせに対応したり、予約をとったり、受付スタッフは「カルテの近くにいること」が必須のように思われますが、どうして無人化が可能だと判断するに至ったのでしょう。
HOW TO USE利用方法
受付スタッフの「働き方改革=在宅ワーク」を実現
同院では、予約システムにDentNetを採用し、診療ノートはDental
eNoteでペーパーレス化しています。「全世界どこからでもカルテが確認でき、リモートで治療の指示ができる。Dental eNoteは既に
“なくてはならない存在”
だ」と評するほど、リモート環境でのカルテの利用は定着しており、受付スタッフに置き換えた運用イメージは明確でした。
LINEでの予約・変更なども実現している他、会計の自動化も完了しており、治療を終えると受付を経由せずに自動精算を済ませて退出する患者の割合も確実に増えている状況でした。
加えて、予約システムとカルテの連携機能がリリースされ、カルテを取り出す操作性が劇的に向上したこともあり、院内に受付スタッフがいなくても受付機能が実現できるベースが整ってきたと判断し、受付スタッフの在宅勤務に踏み切ったのです。
予約とカルテの連携で日々のストレス蓄積を解消・生産性は「爆上がり」
これまで予約システムとデジタル化された診療ノートは2本の柱として別々に機能しており、予約システムで患者名・ナンバーを確認し、Dental
eNoteで患者ナンバーで検索してカルテを出していました。
「検索に時間がかかるし、ミスも起こる。例えばナンバーで検索すると部分一致するナンバーのカルテも表示され、確定するためには患者のフルネームが必要になる。同じ読みでも漢字表記がすぐにわからなくて困る」(院長)というこの小さなストレスは「治療の手を止める」ストレスとして蓄積されていきます。1日に100名を超える患者を診察するクリニックにとっては「カルテの取り出しの度に毎回発生する軽微なストレス」は大きなタイムロスに繋がりますし、もしカルテを誤れば、患者の情報が違う人のカルテに記入されてしまうことになるため、検索機能の改善を望んでいたと言います。
Dental
eNoteと予約システムDentNetが連携(*)すると、予約システムからボタンをタップするだけで患者のカルテまでシームレスに繋がるようになりました。「正しいカルテがパッと取り出せ、サッと対応できる。それにより生まれる時間を患者との大切な会話に充てることができるようになった。カルテの取り出しが快適になると、当日予約分のカルテをサッと確認して治療内容を確認し、次の予約の指示を治療前に書き込んでしまうなど、生産性は”爆上がり”した」(院長)と表現するほどです。
FUTURE今後の展開
働き方改革進め、キャリアを活かせる職場に
「在宅ワークが可能になり、出産後も仕事が続けられるようになった。歯科の受付の在宅ワークは業界初かもと思う。この大きな変化は、働き方改革と言えると思う」受付の矢野氏自身、近く出産を控えており、育休後の職場復帰を予定しています。
完全無人化を実現するには(マイナンバーカード保険証やオンライン資格確認などが進む一方で)子ども医療費や障害者などの各種証明証のデジタル化が追いついていないため、現在は受付スタッフを、院内1名・在宅1名体制で運用していますが、「育休後は”受付無人化”に全力で取り組む」と言います。
「IT化が進み、必ずしも人がいなくても受付機能は実現できるが、使い方に馴染めない人や不安な人をサポートするコンシェルジュのような人は必要だ。コンシェルジュは熟練のスタッフでなくても、経験豊富なスタッフがバックに(在宅で)控えていれば、安心して対応ができるし、実際にそこにいなくても、在宅スタッフが直接対話できるような仕組みが実現できればいい。
そして、今は在宅と院内の受付スタッフ同士の連携にとどまっているが、処置室と直接繋がるようになれば、今現在治療中の患者の見積もり作成など、治療と繋がった業務もリモートで対応できるようになる。リモートでできる業務が増えると、子育てのためパートタイムにせざるを得ないような優秀なスタッフもフルタイムで働ける可能性が高まる」「今はまだ在宅ワークの必要性を感じない人も、妊娠や出産・子育てなどライフスタイルが変わる時にわかる時がくる。その時を予想しながら、在宅でできる業務をより拡げていきたい」と、さらなる働き方改革をイメージしている。
Dental eNoteを一段上の活用へ
ITを駆使して業務改革を強力に進めていますが、それでも「まだDental
eNoteを十分には使い切れてないと思う」(院長)と言います。「治療計画書などのテンプレートを充実させたいし、診療ノート以外の用途にも使用したい。例えば新人の日誌を次の新人が参考にできるようにしたり、ヒヤリハットやミーティングの記録、連絡事項など整理しないとどこかに行ってしまうようなものを貯めて使えるようにしていきたい」と、診療ノートとしての活用からさらに一段上の活用を考えています。
ITは、それ自身が勝手に業務を効率化したり、経営を向上させるものではありません。経営者だけが夢を思い描いても、実現するのは困難です。どうしたいのかを明確にイメージし、スタッフも一緒になって考え、動き続けることで大きな効果を発揮します。スタッフがライフスタイルが変化してもキャリアを諦めずに仕事が続けられる環境を整え、優秀なスタッフが働き続けられる基盤作りを進めている吉田歯科の働き方改革は、受付業務にとどまらず、今後様々な場面で新たな発想を生み出し、日本一のスマートクリニックの実現に繋がることでしょう。