導入事例14-後編
しんくら歯科医院様
かしわじま歯科様
まった歯科様
個別インタビュー
現場事例がつなぐDXのバトン
しんくら歯科医院から伝播する
倉敷市・歯科DXの快進撃
- かしわじま歯科・小児歯科
- 院長 浅野 圭二 氏
- まった歯科
- 院長 松田 尚大 氏
- 医療法人
しんくら歯科医院 - ブランディング
マネージャー
細小路 理加 氏
BACKGROUND背景
前編では、しんくら歯科医院のDX化への取り組みについて座談会形式でお話を伺いしました。その後、浅野先生は「かしわじま歯科」を、松田先生は「まった歯科」を独立開業され、3院とも同じテンプレートをベースに日々の業務に活用されています。
後編では、3院それぞれの個別インタビューの内容をお届けします。
末尾には、しんくら歯科医院での初診セットを掲載していますので、ぜひご参照ください。

かしわじま歯科・小児歯科
院長 浅野圭二 氏

まった歯科
院長 松田尚大 氏

しんくら歯科医院
ブランディングマネージャー
細小路 理加 氏
INTERVIEWかしわじま歯科
しんくら歯科医院のDX化を、中心となって推進した浅野先生は、2024年、しんくら歯科医院から車で10分ほどの倉敷市玉島柏島に「かしわじま歯科」を開業しました。「地域のホームドクターとして、赤ちゃんからお年寄りまで幅広い患者さんに、痛みのない・泣かせない治療」を掲げ、開業から1年が過ぎました。地域では一番の若手ですが、常に予約がいっぱいの、人気歯科医院になっています



かしわじま歯科・小児歯科
院長 浅野圭二 氏
しんくら歯科医院でのDX化の経験がある浅野先生にとって、Dental eNote一択かと思いきや、ギリギリまでもっと良いものが出ないか「出るなら開業する前に出てくれ!」と思っていたと言います。しかし、「Dental eNoteしかなかった」と。
浅野先生・Dental eNoteのココが推し!
効率だけじゃない、Dental eNoteは楽しく仕事できる相棒のような存在
効率重視の浅野先生ですが、院内は効率優先!私語厳禁!と、いうわけではありません。絵の上手なスタッフお手製のスタンプなど、Dental eNoteを楽しく使っている様子も見られます。「スタッフが楽しく働けるのも大切。自分が楽しくないと患者さんを喜ばせてあげられないから。仕事さえちゃんとしていたら、楽しく仕事ができた方がいい」
患者さんにも楽しく通ってほしいと言う浅野先生。コミュニケーションを大切にすることは、しんくら歯科医院での経験を経て得たことが大きいと言います。「こういう話をしました、ということを瞬時に書き込んでおけば、先週こんな話してましたよね、と話しかけることができ、患者さんは覚えてくれてたんだ、と仲良くなれる。地域のホームドクターを目指している者として、予約も取りにくいのに、うちを選んできてくれる患者さんを大切にしたい」
Dental eNoteを導入した時点で、それはもう「進化」
近未来の操作室を連想させる処置室は個室の良さとオープンの良さを併せ持つ半個室。スタッフ同士の気配が感じられ、目配りができる。天井にはモニター、ドクター側の壁にはPCモニターが埋め込まれている。モニターは全てタッチパネルで、PCもiPadと同じように使用でき、PCの画像をスクショしてDental eNoteに貼り付けるなど、シームレスに連携できる。
今後さらにやりたいことを伺うと、「やりたいと思ったことは全部やっている。Dental eNoteを導入した時点で、それはもう「進化」。でも「効率よく、わかりやすく、トラブルなく」効率化をさらに極めていくんだと思う」と笑う浅野先生。
浅野先生の元には、見学の方が多く訪れるそうです。「私がデジタルに詳しいと聞いて、開業予定の先生方の見学も多い。Dental eNoteの説明もするし、帳票も渡す。私が余裕で楽しく使っているので、大丈夫そうだ(自分も使えそうだ)と感じるようだ。実際使ってみると最初はちょっと難しいかもしれないが、大丈夫。みんななんとか使っている。その時は私もサポートしていく」と力強いコメントも。かつて、浅野先生らがDXに取り組もうとした際に、一度は諦めたが、実際に他院で利用されている様子を見て「これだ」とスタートできたように、多くの歯科医院のDX化へのバトンが渡されています。
INTERVIEWまった歯科
続いて、しんくら歯科医院から独立し、2024年に倉敷市有城に「まった歯科」を開業、「来院してくださる患者さんが、お口のことで困らないようにしたい。自分も含めてスタッフには、仲良く、ストレスができるだけ少なく、楽しく仕事ができればいいなと考えている」という松田先生にお話を伺います。



まった歯科
院長 松田尚大 氏
開業にあたり、しんくら歯科医院で使い慣れていたDental eNoteの導入が自然の流れかと思われましたが、実は「最初は導入コストの問題もあり、開業時は紙で行こうかと考えていた」そうです。
これから開院するなら、デジタル化一択!
その理由は・・
01
新院の設計時に図面を見ると、カルテ庫が場所をとっていた。この場所が必要なければ、そのぶん待合室などがもっと広く取れる。
02
開院時は、全ての患者さんが初診。全員分のカルテを作る時間がかかり、それは待ち時間が発生することになる。お待たせしないようにしたい。スタッフのカルテ出しの時間の無駄も削減したい。
03
しんくら歯科医院で年末年始の休診日を利用して既存カルテのスキャンなど導入の大変さを間近に見たので、途中で乗り換えるのは避けたい。
自分自身使用経験もあり、相談できる人も身近にいることから、Dental eNoteを開院と同時に導入することに決めたのです。
基本理解からカスタマイズまで・導入サポートを活用
松田先生はしんくら歯科医院での経験がありますが、スタッフは電子化が初めてで、基本的には使い方から全くわからないため「自分が細かいところを感覚で教えてしまうと、基本的なところが疎かになる」と考え、まった歯科では、ゼロベースで「導入サポート」を使用しました。
松田先生の、Dental eNoteここが推し!
01
受付でもDental eNoteを開いておけば、チェアで書く内容がリアルタイムで共有できるので、いつ次の予約をどれくらいの時間取りたいか、インカムでは伝わりにくいニュアンスが伝わりやすく、ドクターの意図するニュアンスを正しく把握して予約を取ることができる。
02
カルテが手元に届くまで待つしかなく「後で書く」ことを余儀なくされていたが、誰もがすぐに記入でき、残業を発生させずに済む。
03
データはクラウドにあるため、院外からも確認することができる。ご自身が子育て世代ということもあり、家族の「人手が欲しい・早く帰って欲しい」という気持ちに寄り添い、在宅でカルテを確認するなど、ライフスタイルに合わせた働き方ができるのもメリット。
まった医院に見学に来られた先生がひとこと。「説明だけを聞くより、実際に目で見て、医院ごとの特徴に合わせてサブカルテをカスタマイズできることがイメージでき、よくわかった」と。ここでも、歯科DXのバトンが渡されています。
INTERVIEWしんくら歯科医院
最後に、改めて、しんくら歯科医院・ブランディングマネージャーの細小路氏にお話を伺います。



しんくら歯科医院
ブランディングマネージャー 細小路理加 氏
血の通ったコミュニケーションをよりスムーズに
しんくら歯科医院が大切にしているのは「患者さんとしっかりとコミュニケーションをとり、患者さんに寄り添った診療提案をし、無理なく患者さんのお口の健康を守ること」です。そのため、サブカルテには患者さんのあらゆる情報を記録します。それを元に、通院の頻度や時間帯、日々のケアにどれくらいの時間が割けるかなどを検討します。また、患者さんとの細かなやり取りの記録を参照し応対することで、患者さんに気持ちよく通っていただけることにつながります。
かつてはそれを紙でやっており、診察前にひと通り目を通していました。Dental eNoteでも、初診カウンセリングから始まって、コミュニケーションシート(サブカルテ)に記録し、コミュニケーションを共有するためのツールとして活用しています。治療の前に患者様とのコミュニケーションのやり取りを確認する、というのは紙の時代と変わりませんが、ひとつしかない紙カルテがカルテ棚に帰ってくるのを待つ必要がなく、複数の人が同時に確認・記入することができるのがメリットです。
紙にまつわる問題を解決すると、本来やるべき仕事に集中できる
カルテの出し入れは、かなりの時間を要する仕事でした。紙で運用していた頃は受付・事務スタッフだけでは手が足りず、私も含めて手伝いをすることもありました。それほど、カルテの出し入れは、全てに優先してやらなくてはならない仕事だからです。しかし、それで失った時間は、他の仕事をするべき人にとっては損失です。現在は、それぞれ自分がやるべき仕事、自分でなければできない仕事に集中できるようになり、患者様やスタッフ間の人間同士のコミュニケーションにしっかり時間が割けるようになりました。
院長への確認にしても、以前は受付スタッフや衛生士が紙カルテを持って院長のところへ行き、院長の確認を仰ぐ必要がありました。それが今では、iPadひとつで、院長に確認することができます。
Before:
対象患者のカルテを、カルテ庫から取り出す→院長に渡して確認し、申し送りを記入する→元の場所に戻す。これを、スタッフは1日何度も繰り返していました。
After:
Dental eNoteを開いて、自席からインカムで伝えるか、iPadを持って見せに行く
確認後、申し送りをDental eNoteに記入するだけで、効率よく情報共有・管理ができるようになりました。

Dental eNoteを導入して、いい仕事の流れを作り、働き方を変えられたことは、スタッフにとっても、医院にとっても大きなメリット。デジタルに移行してすごく良かったと思います。
紙よりも安全に運用できる仕組みを、採用や人事にも活用
採用の面接や、院内のスタッフ面談にも利用しています。紙で何部もコピーを作って配布するより、アクセス権を設定し、データで完結する方が、安心して個人情報を扱え、確認もスムーズです。
Before:
履歴書、筆記試験の内容、適正診断の結果など、面接を行う幹部の人数分の印刷をしてバインダーに挟んで、面接後には所感を書いてもらって共有していました。
↓
After:
閲覧できる権限のある人のみに制限して、Dental eNoteに移行。面接中も「ここをもっと詳しく聞いてみよう」と書き込むこともできて好評です。
面接同様に、院内のスタッフ面談にも使っています。院長とマネージャーのみ閲覧できるようにして、スタッフのカルテとして作っています。面談で話したこと、次の面談ではこれを確認しよう、といったこともデジタルで管理できるようになりました。
ーーインタビューの準備中、オンラインセミナー配信中の院長先生が覗いてくださいました。どんな医院でありたいと考えていらっしゃるかお伺いすると「コミュニケーションをしっかりとれる医院。たとえば、来週サマースクールがあると聞けば、次に診察に来てくれた時には、サマースクールどうだった?と話せるような。そういった、血の通ったコミュニケーションがとても大切だと考えている」と話してくださいました。
院長の考えがしっかりスタッフに浸透していると感じるとともに、最も大切だと考える「コミュニケーションを共有する重要なツール」としてDental eNoteが存在していることを嬉しく感じました。
しんくら歯科医院では、他院からの見学を数多く受け入れています。中でも「サブカルテのデジタル化」についての質問は非常に多く、コミュニケーションシートを含めた活用事例の説明や、移行の不安やスムーズに移行するための工夫なども詳しく伝えてくださっているそうです。しんくら歯科医院から全国の歯科へと、リアルな現場の事例が歯科DXのバトンをしっかりとつないでいます。
MetaMoJiは、歯科業界のDXに今後も貢献してまいります。
SAMPLEしんくら歯科医院の
初診セット


セルフでのお手入れのコツや、血圧のデータなどの履歴を残している。


しんくら歯科医院が最も大切にしている、患者とのコミュニケーション内容がここに記録される。



Dental eNote導入初期にカスタマイズして作った
「初診・治療計画リスト表」は出番の多いテンプレートです
しんくら歯科医院では、歯科衛生士の担当制をとっています。週一回開催される【治療計画検討会】で、患者さんの主訴や口腔内写真とともに自分が考える治療計画等を発表し、他ドクターや院長からアドバイスを受けることができます。様々な症例や治療選択肢に触れられ、スタッフ全員の学びにつながっています。このシートは、紙の表をベースに、日付欄やチェックボックスを配置するなど、フォーム部品を活用してeNote化しました。
タップすると入力ができる、選択ができる、チェックができる、作りはとてもシンプルですが、治療計画が次の予約までにできているかを確認したり、勤務医の初診患者担当のボリュームを把握したり、検討会での発表リストとしても使う、使用頻度の高い一覧表です。
導入前は紙のリストだったものがそのままデジタルに。業務に合わせて作ることができる。
やってみるまでは「カスタマイズ」と聞いて「難しそう」と思っていましたが、使い始めると、自分に合わせてカスタマイズできるからこそ便利なのだと実感しています。






01
いろんなソフトを試したが、Dental eNoteのカスタマイズ性に勝てるソフトが未だに存在しない。
開業時にカスタマイズしたテンプレートは1年経っても大幅な変更なしで使えている。
02
iPadだけ・スマホでは見られないなどの制約が多い中で、Mac、Windows、スマホに対応、動作が軽い。
03
紙の大変さも知っているので、自分の院ではカルテ庫を作らないと決めていた。カルテを出して広げたりしたくない。Dental eNoteなら10秒あれば開ける。
04
院内は徹底してペーパーレスを実践。例えば、同意書は患者さんには紙で書いてもらって、院内保管用に写真を撮って、紙は患者さんに。院内はペーパーレスに。
05
Dental eNoteは複数デバイスで同時に書けるから、1枚の書類さえ同時に分業できる。例えば、紹介状のテンプレートを選んで、基本情報は受付スタッフが書き、所見が必要なところをドクターが書けば、受付で印刷するだけ。衛生士に書いてもらうカルテも、衛生士さんが書けない時にはドクターが書くといった具合に。
06
ペーパーレス・業務効率を追及して、平日は8:30開始・昼休み90分で18時まで。土曜日は開始を30分早めて昼休みを60分にして17時まで。「原則残業はない」とキッパリ。